揺れる

かごに入れられた、リンゴがまだ青い

ゆらり、揺れている。

不確かな今をつなぐのは、きっと青さだけなのだろうと

捻りだした答えで、応答する。

誰に問われたわけではない。

心臓をつかまれたような、あいまいな記憶が

僕の脳裏によぎる

夜汽車に乗せられた 幼いころのあの夜のことを思い出す

私という存在を認識する前の頃の話